通勤災害の認定事例
労災保険の手引
通勤災害の認定については、業務との関係や逸脱・中断の判断などが必要です。
第三者の犯罪
夜遅くに暗く人通りの少ない路地を帰宅する途中に強盗に出会い、その結果負傷した場合等は、通常予見できる危険が具体化したものとして、通勤災害と認められます。
しかし、犯罪に遭遇したのがたまたま通勤途上だったということであれば、認められません。
大阪南労基署長(オウム通勤災害)事件 最高裁 H12.12.22
第三者の計画的犯罪によって起こされた災害。通勤がその犯罪にとって単なる機会を提供したに過ぎないとして、関連性が否定された。
終業後、職場で一定時間過ごしてから退勤
業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席した後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関係を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性が認められることになる。(S48.11.22基準発第644号)
つまり、事業所に留まっていた時間と内容が判断基準となります。実際には次のように判断された事例があります。
接待
得意先の接待であっても、事業主の業務命令で行くのであれば、業務となります。このような接待であれば、その場所へ行く途中の事故は、通勤災害と認められます。
マイカー通勤
合理的な通勤方法といえるかどうかが問題ですが、事業主が認めていれば、もちろん通勤となります。また、事業主がマイカー通勤を禁止していたとしても、その経路及び方法が合理的であれば、通勤として認定されます。
1日に複数回の通勤
通勤は1日に1回のみしか認められないとは定められていません。昼休憩等に、一旦帰宅するような場合であっても、午前中の業務を終了して退勤し、午後の業務にのために出勤するものと考えられますので、その途中で起きた事故は通勤災害と認められます。
複数の住居
通勤は、住居と就業場所の往復のことです。住居、就業場所ともに、1つずつしか認められないとはいえません。住居とは、労働者が居住して日常生活の用に供している場所で、就業のための拠点をいいます。往復行為に反復・継続性が認められれば、複数の住居も認められます。例えば残業のために家族のいる自宅とは別の場所にアパートを借りている場合は、自宅とアパートの両方が住居となります。残業したときにアパートに泊まり、翌朝そのアパートから出勤する途中は、通勤途上と認められます。同様に単身赴任についても、自宅と単身赴任先住居の両方が認められます。
遠回り
マイカー通勤の共稼ぎ労働者が妻をその勤務先に送って出勤するときは、その距離によって、合理的な経路かどうかが判断されました。
と実際には判断されています。
帰宅途中に映画
帰宅途中に映画館で映画鑑賞することは、逸脱・中断と判断されます。
日常生活上必要な行為
「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合」は、その行為を終え、合理的な経路に戻った場合には、通勤と認められます。
クリーニング店に立ち寄ったり、理髪店で散髪することは、この場合に当てはまります。しかし、喫茶店でコーヒーを飲み40分ほど過ごすといったことは、認められません。
業務災害か通勤災害か
業務災害か通勤災害かの判断は複雑な場合もあります。
業務災害の事例
通勤災害の事例
(2005.9.5)
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