フレット交換

ロック・ギター・エキスパート

VOL.21

前回のVOL.20では、簡単にフレットの修正つまりフレット擦り合わせについて説明しました。今回は一歩踏み込んで、フレット交換の手順を説明します。

STEP.1 準備
弦を外し、ボルト・オンクなら、ネックはボディから外します。セットネック等の場合は、作業中にボディが傷つかないようにマスキングテープで保護しておきます。ペグやナット等外せるパーツは、全て外しておきます。

STEP.2 フレットを抜く
エンドニッパーでフレットを抜きます。専用のフレット抜きもありますが、小さ目のエンドニッパーで指板がめくれないように少しづつ抜いていけば良いでしょう。それでも、多少指板は、めくれてきますので、なるべく破片も元通りに瞬間接着剤で固定します。これにはフレットを打ち込む溝の補強の意味もありますので、フレットを1本抜くごとに必ず行っておきます。指板上にはみ出した接着剤は、後々削るので多目に接着剤を流しておきます。瞬間接着剤が乾くまで、しばらく放置しておきます。

STEP.3 指板の平面を出す
トラスロッドでネックを可能な限り真直ぐにします。但し、トラスロッドを締め切った状態だと弦を実際に張ってからの調整が出来ませんので注意が必要です。次に指板を削ります。ネックの多少の波打ちはここで解消できます。#240〜#400のサンドペーパーを木片や専用工具等の平面に貼り付けて使います。指板のアールを維持出来るように全体を軽く削っていきます。定規で指板の確認をしながら行います。

指板の平面を出す

STEP.4 フレット溝
フレットの溝を細めのノコギリでさらっておきます。打ち込みたいフレットの足が長いようであれば、必要なだけ溝を深くしておきましょう。

STEP.5 フレットを打ち込む
フレットはネックのアールにぴったりあうように(ほんの少し曲がった状態は可、ネックのアールよりもゆるいカーブは不可)整形しておきます。これを木槌で叩き込みます。まず、中央から叩き込み、両端を叩き込みます。1本ずつ余分な部分をニッパーで切断していきます。あまり残すと削る作業が大変ですので丁度良い長さにカットしていきます。この際、出来るだけ、フレットが抜ける方向に力が加わらないようにします。前に打ち込んだフレットが、別の打ち込み作業の影響で浮いてきたら、もう一度軽い力で打ち増しておきましょう。

フレットを打ち込む

STEP.6 フレットの整形1
ネックの横からはみ出したフレットの部分を削ります。まず、マスキングテープでネックの指板やグリップ部分等を保護し、平ヤスリ等で削っていきます。平ヤスリは両側にマスキングテープを貼ってヤスリの角でネックを傷つけないようにして使います。やはり、フレットが抜ける方向に力が加わらないように削るようにします。全部のフレットを打ち込んでから削るよりも、1本ずつの方が、削り易いと思います。

フレットの整形1

STEP.7 フレットの整形2
下図のようにネックの側面を#80位のサンドペーパーを角度を付けて削り、フレットの角(フレットの両端)を落としていきます。

フレットの整形2

左手のポジション移動の邪魔にならない程度に削っていきますが、削る量は少ない方がネックの幅を広く使えます。この作業は、はみ出したフレットの最終整形も兼ねています。フレットは下図のようになります。

フレットの整形2

STEP.8 フレットの擦り合わせ
フレットにデコボコが激しい場合は#240から#400、それ以外は#400のサンドペーパーを使います。

STEP.9 フレットの角落とし
専用のヤスリを使って、丸い頂点になるように整形していきます。

STEP.10 仕上げ
#600〜#800のサンドペーパーで、仕上げていきます。フレットの両端は角が立っていると思いますので、そちらも仕上げます。次にコンパウンド等で磨き、マスキングテープなどは取り除いてレモンオイルで掃除します。

専用工具なども揃えないといけない上に多くの時間も掛かる作業ですが、手間暇をかけたギターへの思い入れは大きなものとなります。こういった事にチャレンジするのも楽しいのではないでしょうか。なお、VOL.20と重複する内容のSTEP.8〜9については、簡略化しましたので、そちらも参考にして下さい。