ロック・ギター・エキスパート
VOL.36
先日、4発入りスピーカーキャビネットを物色していると、中古のジャンク品ですが、ランドール(Randall)のものを見つけました。セレッションのスピーカー(Celestion G12M-70 Modern Lead 8Ω)が4つ入っています。ジャンクというのは、背面のジャック部分が破損していて、使い物にならないというものでした。確かにジャック自体が割れています。また、ジャックプレートの周りのプラスチック部品も割れています。ジャックプレート自体は金属で、無事でした。おそらく、プラグを刺したままで、後ろ向きに倒れてしまったのでしょう。そこで、今回は、格安で入手できたこのキャビネットのリペア〜再配線について書いていこうと思います。

STEP.1 配線図
まず、手始めに配線について考えます。もともと、このキャビネットには8Ωのものが4発で、アウトプットジャックが3つあり、その2つにはスイッチがついていて、モノで8Ω、ステレオで左右各4Ωというインピーダンスになっていました。主にアメリカ製のブギやピーヴィ等のアンプヘッドは、4と8Ωで切り換えができるのですが、英国製のマーシャル等は、8Ωと16Ωで切り換える仕様になっています。これらのアンプを混在させてもステレオで使用できることを思うと、モノで8Ω、ステレオは各チャンネルごとに4Ωと16Ωを切り替えられるようにしたいところです。

そこで、考えたのが上の配線図です。左右2つずつのスピーカーをスイッチでパラレル(並列)とシリーズ(直列)に接続変更できるようにします。そして、さらに2組のスピーカーをスイッチでセパレイト(ステレオ)とパラレル接続(モノ)を切り換えるようにしました。本来であれば、スイッチ付きのジャックを使えばもう少し簡略化できると思うのですが、理解し易い配線にしました。なお図での線の交差は、接触しません。モノで使う場合には、各左右のスイッチを16Ω側にしておくと、パラ接続で、トータル8Ωとなります。気をつけなければならないのは、モノのときには、片方のジャックにしか、アンプは繋げないという点です。
STEP.2 パーツ
| パーツ | メーカー・型番 | 備考 |
| 線材 | Belden Studio 716Mk2 | このあたりは、いろいろとコダワリもあるかと思います。スピーカーケーブルでは、同じシリーズの718Mk2がよく使われるようですが、かなり太くなってしまいます。スイッチも多くありますので、取り回しやハンダ付けを考慮して716Mk2を採用しました。それでも結構骨が折れました。 |
| ジャック | Switchcraft Mono/OpenType | 本来はクローズドタイプが適しているのでしょうが、入手が困難なため、オープンタイプのものを使いました。線材が、接点の穴に入りにくかったため、リーマーで穴を広げました。 |
| スイッチ | Nikkai S-6A | もっと定格の小さいもので良いようですが、資料も無かったので、念のため「20A 125V AC」という定格の大きなものを採用。 |
| その他 | アクリル板、ボルトなど | ホームセンターにて入手。 |
STEP.3 配線作業
スピーカーケーブルはギター内部の線材などにくらべると非常に太く、扱い難いものです。スイッチやジャックの端子に2本の線をハンダ付けするのは困難でしたので、ビニールジャケットを長めに剥いて、「ハンダ付けしては、熱収縮チューブで絶縁」という作業を繰り返します。またスピーカー自体とケーブルは、もともと圧着端子で接続していましたが、しっかりとハンダ付けしました。下の写真が配線後のバックパネルです。もとあった部品を整形し、アクリル板をボルトで止めました。アクリル板の加工には、ドリルやリーマーを使いました。これを本体にセットして終了です。

アンプ〜キャビネット間のスピーカーケーブルやギター内部配線もいろいろなところで語られていますが、キャビネット内部のこととなると、資料も乏しく、特にスイッチなどパーツについては、ネット上や書籍などにも情報は皆無に近い状態でした。私もこのようなキャビネットが手元に来なければ、こういった作業もしなかったと思います。ちなみに、配線チェックの際気付いたことですが、8Ωスピーカーは実測値で約6.6Ωとなりました。
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