頸肩腕障害

労災保険の手引

by Tobuki

腕に負担がかかる作業により生じる、いわゆる頸肩腕障害については、上肢作業に基づく疾病の業務上外の認定基準(H9.2.3基発第65号通達)によって判断されます。以下はその概要です。

対象疾病

上肢等に過度な負担のかかる業務で、後頭部、頸部、肩甲帯、上腕、前腕、手指に発症する運動器障害が対象となります。

上腕骨外(内)上顆炎、肘部管症候群、回外(内)筋症候群、手関節炎、腱炎、腱鞘炎、手根管症候群、書頸、書頸様症状、頸肩腕症候群などです。

認定要件

次の全てを満たし、医学上療養が必要であると認められる対象疾病が認められます。

  1. 上肢等に負担のかかる作業を主とする業務に相当期間従事した後に発症したものであること
  2. 発症前に過重な業務に就労したこと
  3. 過重な業務への就労と発症までの経過が、医学上妥当なものと認められること

上肢等に負担がかかる作業

上肢等に負担がかかる作業とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

上肢の反復動作の多い作業パソコン等の操作、運搬・積込・積卸、製造業における機器等の組立て・仕上げ、給食等の調理などの作業
上肢を上げた状態で行う作業流れ作業による塗装・溶接作業、天井など上方を作業点とする作業など
頸部、肩の動きが少なく、
姿勢が拘束される作業
検査作業(特に顕微鏡や拡大鏡を使った作業)
上肢等の特定の部位に
負担のかかる状態で行う作業
保育、看護、介護作業

同じ職種でも具体的な作業内容が異なる場合もあり、疾病の発症と業務との因果関係の検討においては、実態の把握が必要です。

相当期間

短期的なものではなく、原則として6か月程度以上をいいます。

なお、腱鞘炎等については、作業従事期間が6か月程度に満たない場合でも、短期間のうちに集中的に過度の負担がかかった場合には発症することがあります。

過重な業務

上肢等に負担のかかる作業を主とする業務において、医学経験則上、上肢障害の発症の有力な原因と認められる業務量を有するものであって、原則として次のいずれかに該当するものをいいます。

  1. 同一事業場における同種の労働者と比較して、おおむね10%以上業務量が増加し、その状態が発症直前3か月程度にわたる場合
  2. 業務量が一定せず、例えば次のイ又はロに該当するような状態が発症直前3か月程度継続している場合
    イ 業務量が1か月の平均では通常の範囲内であっても、1日の業務量が通常の業務量のおおむね20%以上増加し、その状態が1か月のうち10日程度認められるもの
    ロ 業務量が1日の平均では通常の範囲内であっても、1日の労働時間の3分の1程度にわたって業務量が通常の業務量のおおむね20%以上増加し、その状態が1か月のうち10日程度認められるもの

なお、業務量の面から過重な業務とは直ちに判断できない場合でも、通常業務による負荷を超える一定の負荷が認められ、次のいずれかが顕著に認められる場合には、これらも総合して評価することになります。

  1. 長時間作業、連続作業
  2. 他律かつ過度な作業ペース
  3. 過大な重量負荷、力の発揮
  4. 過度の緊張
  5. 不適切な作業環境

(2005.9.5)

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