労災保険の手引
by Tobuki
休業(補償)給付は、療養で仕事ができない労働者の生活・所得補償を目的としています。次の要件を全て満たすことが必要です。
いまだ治癒していない状態で、医師等の診療や指導を受けているということです。傷病が治癒した後に行われるリハビリ等(労働福祉事業の外科的処置又は温泉保養)は療養には含まれません。
ここでいう労働とは、必ずしも事故前に行っていた業務に限定するものではありません。軽作業であれば勤務可能である場合には、労働することができない場合には当たりません。
実際に給付が行われるのは、休業4日目からです。業務災害であれば、最初の3日間(待期期間)は労働基準法76条により使用者が補償しなければなりません。通勤災害であれば、当然、待期期間の使用者補償は、必要ありません。
労働基準法第76条(休業補償)
労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の100分60の休業補償を行わなければならない。
なお、待期期間の3日は、継続、断続を問いません。
休業特別支給金とは、本来の休業(補償)給付とは別に労働福祉事業として支給されるものです。これにより、合計の支給額は、給与の80%相当額となります。
労働者が所定労働時間の一部についてのみ労働(一部休業)した場合は、給付基礎日額からその一部の労働に対して支払われる賃金の額を控除した額の60%が支給されます。
療養のための休業日であっても、その日に給与等が実際に支給される場合があります。この場合、その額が給付基礎日額の60%未満であれば、給付は全額行われます。逆に、60%以上であれば、給付は行われません。
通勤災害の場合に限り、初回の休業給付から、「療養給付の一部負担金」として200円(日雇特例被保険者は100円)が控除されます。
休業(補償)給付及び休業特別支給金を受けるには所定用紙を、労働者の所属する事業場の所轄労働基準監督署長に提出します。休業の期間全てを一括して請求することも、分割して請求することも可能です。
災害 | 提出書類 | |
労災 | 様式第8号 | 休業補償給付支給請求書 休業特別支給金支給申請書 |
通災 | 様式第16号の6 | 休業給付支給請求書 休業特別支給金支給申請書 |
初回の請求には別紙1、部分的に休業した日がある場合には別紙2が、それぞれ必要です。
同一事由で、障害基礎年金・障害厚生年金を受給している場合は、その年金支給額の証明書類が必要です。
時効は、療養のため労働することができないために賃金を受けない日ごとにその翌日から起算して2年です。
(2005.9.17)
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