労災保険と請負

労災保険の手引

by Tobuki

建設事業等で、数次の請負によって行われる事業の場合には、災害補償については、原則として元請負人(発注者から仕事を直接受ける者)が使用者とみなされます。

労働基準法第87条(請負事業に関する例外)
厚生労働省令で定める事業が数次の請負によつて行われる場合においては、災害補償については、その元請負人を使用者とみなす。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律第8条(請負事業の一括)
厚生労働省令で定める事業が数次の請負によつて行なわれる場合には、この法律の規定の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを当該事業の事業主とする。

なお、所定の手続により、下請負人(元請負人から仕事を受ける者)が使用者となる例外的な取扱いもあります。

請負事業の一括

元請人には、その事業を一括して労災に加入する必要があります。また、下請負人が危険防止の措置を講ずることができるようにするため、技術上の指導その他必要な措置を講ずる義務があります。

なお、こういった場合であっても、労災保険の適用を受けることが出来るのは、あくまでも労働者に限定されます。「請負事業の一括」は、元請負人のみを事業主とし、下請事業はこれに一括されて処理されますが、これは合理的な労災保険適用及び保険料徴収の方法であって、適用対象労働者でない者を適用対象労働者として取り扱うとしたものではありません。

下請事業主や一人親方などの下請人については、特別加入しない限り、労災保険の保護は及びません。

有期事業の一括

建設事業等は、その工事ごとに、1つの事業として保険関係が成立し、工事が終われば保険関係が終了するといった形をとっています。これは、建設事業等は、請負が複雑に絡み合っているために、企業単位で適用するよりも適当であるということからきています。

しかし、小規模の工事であれば、個々に保険関係を成立させるよりも、一括して処理した方が合理的であるといえます。そこで、請負金額が1億9千万円未満(消費税込)の工事等については、一括して一の事業とみなして処理できることとなっています。一般注文住宅建築工事を行う工務店などは、これに該当します。

有期事業の一括の要件

建設の事業概算保険料の額に相当する額が160万円未満で、
かつ、請負金額が1億9千万円未満のもの
立木の伐採の事業概算保険料の額に相当する額が160万円未満で、
かつ、素材の見込生産量が1000立方メートル未満のもの

(2005.10.5)

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