慎重に行うべき労働組合結成

労働組合の作り方

by Tobuki

労働組合結成活動は慎重に

労働組合は、使用者・経営者にとっても、重要な従業員とのコミュニケーションパイプです。しかしながら、労働組合の結成を心から歓迎する使用者は極めて少数です。そのため、結成活動には慎重さが必要とされることになります。労働組合が法人格を取得するまでは、会社には知られないように活動を行う方が無難であるといえるでしょう。

こういったことから、初期の結成メンバーの選定には注意が必要で、使用者側に密告しそうな従業員は論外ですが、使用者から結成の動きを悟られそうな同僚については労働組合の結成が公となってから加入を勧めるなど、慎重な対応が必要です。

労働組合法が禁止する不当労働行為に該当することですが、会社は、中心人物やその補佐を行う従業員を労働組合設立準備をしていることを理由に、転勤通告や解雇通告する可能性があるからです(建前上は違う理由を主張する場合も考えられる)。

労働組合結成準備が使用者に知れて、トラブルが考えられる場合の対応策としては、通常、次のようなことが挙げられます。

  1. 使用者の干渉・圧力に対し、具体的な対応策の検討をする。使用者による干渉については、日時・場所・相手方・その内容等を記録しておくと良い。
  2. 結成予定時期を再検討する。
  3. 準備会内部のコミュニケーションを強化する。
  4. 困難ではあるが、使用者に対し、組合結成についての理解を求める。
  5. 労働相談情報センター等に相談する。
  6. 地域の労働組合団体、全国組合等へ相談する。

労働組合加入の呼びかけ

可能な限り多くの人が組合に加入することが本来望ましいのですが、結成前なので、表立って呼びかけができないことが考えられます。あらかじめ、方法・時期・対象者等について検討し、計画を立て、慎重に行動します。

加入の呼びかけの手順

労働組合加入の呼びかけの手順は、まず

  1. 全体の従業員を把握するために、従業員名簿を作成する。
  2. 職場ごとにブロックをつくり、担当者を決定する。
  3. 友人関係を通じて勧誘する。

等で進め、最終的には、結成趣意書を作成し、労働組合加入・結成大会参加を促進します。

労働組合結成趣意書

必ずしも必要ではありませんが、企業規模が大きい場合や、事業場が分散している場合、より多くの人の加入が必要な場合等は、結成趣意書により参加を促進します。

労働組合結成趣意書の内容や表現には十分注意するとともに、趣意書配布により、使用者は結成の動きを察知しますから、この点も十分留意する必要があります。

労働組合結成趣意書の例

△の従業員の皆様へ
本日、私たちは「△」に労働組合を結成する。
私たちは「△」で一所懸命に働いてきた。その結果、支社は増え、会社規模も大きくなった。しかし、我々従業員の労働条件はほとんど良くなっていない。仕事ばかりが辛くなっただけだ。
とりわけ次の点は、私たち従業員にとって深刻な問題である。
・ボーナスや給料の額が低すぎ生活が苦しい。かつ支給日が遅い。
・退職金制度がなく、将来に不安を感じる。
・違法なサービス残業がまかり通っている。
・パートの有給休暇が法律を無視して全く与えられていない。
・その他労働基準法違反の事柄が多い。
このような現状を変えるためには労働組合が必要不可欠である。昨年来、ボーナス支給日の改善を要求して、○○支社で50名の従業員が署名を寄せ、会社と交渉したことは、たいへんに意義のあることであった。従業員一人ひとりの勇気と団結の大切さを示すことができた。こういった力で様々な問題を会社と交渉し、解決しようではありませんか。私たちの組合は皆さまの参加のもとに、「△」を安心して働ける職場に必ずしたいと切に願う。なお、労働組合の結成と組合への加入は、憲法で保障され、法律で守られている。従業員の当然の権利である。会社が組合結成や組合への加入を妨害することは禁じられている。これに違反すると労働組合法によって罰せられる。
すべての従業員の皆さん!
社員・パートの区別なく組合に加入され、団結されんことを私たちは心より訴える。

(2008.4.12)

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