団体交渉の拒否

労働組合の作り方

by Tobuki

団体交渉に応じられないという使用者の理由として、よく聞かれるのは次のようなものです。

  1. 事前に組合員の名簿や組合員数、規約等を提出してほしい
    これは組合への内政干渉にあたり、それを理由として団体交渉を拒否することはできません。
  2. 組合の要求が過大すぎる
    要求が過大であるかどうかと、団体交渉に応じないこととは別問題です。
  3. 忙しくて交渉をしているひまがない
    単に忙しいというだけでは、団体交渉に応じられない理由にはなりません。
  4. 従業員以外の者(上部団体役員)が出席している
    団体交渉の委員を誰にするかは、組合自身の問題です。組合員以外の人でも組合の委任を受ければ団体交渉に出席することができます。
  5. 従業員以外の者が組合員に加わっている
    組合員の範囲をどうするかも、組合自身の問題です。
  6. 要求の中に団体交渉の対象とならない事項(人事権、経営権)が含まれている
    いわゆる人事権や経営権は使用者に属しているとされていますが、労働者が不利益をこうむったりする場合(出向命令、配置転換、リストラ)には、団体交渉の対象とすることができます。
  7. 出席人数を○人以内にしてほしい
    出席人数を何人にするかも組合自身の問題で、別段、法律に定めがあるわけではありません。

が、冷静な話し合いをするためには当然、限界もあります。団体交渉をスムーズに進めるにはどうすればよいかという基準で、労使が話し合ってルール化することが望まれます。

使用者は団体交渉を受ける義務はありますが、組合の要求に同意する義務はありません。労使双方が議題についてそれぞれ自己の主張・提案・説明を出し尽くし、これ以上交渉を重ねても、いずれかの情報・新提案により進展の見込みがない段階に至った場合には、使用者は交渉の継続を拒否することが許されるとされます(池田電器事件 最高裁 H4.2.14)。

ノースウエスト航空事件 最高裁 S62.7.17
団体交渉において組合側にいかなる回答を与え、どの程度譲歩するかは使用者の自由

日本育英会事件 東京地裁 S53.6.30
使用者が団体交渉において常に組合の要求を全面的または部分的に受け入れて譲歩の姿勢を示さなければならないものでないことはいうまでもないことであり、使用者が自己の立場ないし見解を堅持し組合の要求を受け入れることができないという場合に交渉義務を尽くしたといい得るためには、使用者の主張が特に不合理とは認められず、かつ組合の納得を得るべく、必要ならば資料をそえてその理由を説明することが必要であり、また、それをもって足りるものというべきであって、組合がこれを納得したことは必ずしも必要ではない。

(2008.4.12)

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