不当労働行為事例

労働組合の作り方

by Tobuki

不利益取扱い(1号)に関する事例

恵和会宮の森病院(降格)事件 札幌地裁 H15.11.19
組合委員長に対する放射線科課長から同技師長への降格が不当労働行為として違法・無効とされ、減額分手当ての支払いが認容された。

奥道後温泉観光バス事件 高松高裁 H15.5.16
事業縮小を理由とする20名の希望退職募集に18名が応じたが、後の2名として割り当てられた労組の委員長と書記長の整理解雇には、合理的な理由はなく、事前説明も不十分であって、解雇権の濫用に当たり無効である。最高裁は上告棄却(H15.10.9)

インディアンサマー事件 大阪地裁岸和田支部 H15.1.9
レストランのフロア担当。1日の実労働時間が連日12時間になり、週休も2日から1日になった。体調不良となった従業員は合同労組に加入し、団交したところ、労働時間の厳守などが確認された。 しかし、その後社長から組合を辞めるか否かと問いただされるなどし、辞めないと返答したところ、解雇通告された。本人が解雇理由を組合加入のせいかと質問したところ、社長は「そうれもあるし、性格の問題もある」と答えた。裁判所は、組合活動を県をした解雇だと判断し、地位保全の仮処分の申し立てを認容した。

中労委(青山会)事件 東京地裁 H13.4.12
原告(青山会)が、別法人の経営する精神病院の施設、業務、従業員の大半を引き継ぐ際、旧病院の看護職員のうち組合員であった2名を採用しなかったことが不当労働行為に当たるかが争われた。労働委員会が不当労働行為との判断をしたため、会社側が提訴。裁判所は、労働委員会の判断を支持している。

日本臓器製薬(本訴)事件 大阪地裁 H13.12.19
管理職組合を結成した支店長4名が、秩序紊乱行為等を理由に懲戒処分を受けた。大阪地裁の仮処分決定(H12.1.7)は懲戒解雇を無効と判断した。本訴判決は、本件懲戒解雇は、管理職組合結成前に原告らが被告の経営陣の更迭を求めて多数の社員を巻き込んで行った署名活動等を理由とするものであり、原告らのこれまでの長期間の勤務状況を考慮しても本件懲戒解雇を不相当とすることはできないとして、原告らの請求を退けた。

JR東日本(本荘保線区)事件 最高裁 H8.2.23
国労マーク入りのベルトを着用して就業した組合員に対し、会社が就業規則の書き写し等を命じた。裁判所は、労働者の人格権を侵害し教育訓練に関する違法なものとして、会社側の損害賠償義務を認めた。

倉田学園事件 最高裁 H6.12.20
学級担任に選任されないことは、適格性に消極的評価が下されたという一般的認識が教員間にあるとき、学級担任に選任しない行為は、不利益取扱になる。

国鉄鹿児島自動車営業所事件 最高裁 H5.6.11
組合バッジの取り外し命令に応じない従業員を、10日間にわたり1人で営業所内に降り積もった火山灰の除去作業に従事させた。労働者が、50万円の慰謝料を請求。判決は、労働者側敗訴。上司の取り外し命令を無視してバッジを着用したまま点呼執行業務に就くという違反行為を行おうとしたことによる措置であり、職務規律維持の上で支障が少ないと考えられる屋外作業に従事させたものである。これは、職務管理上やむを得ない措置ということができ、これが殊更に労働者に対して不利益を課するという違法、不当な目的でされたものであるとは認められない。

団体交渉の拒否(2号)

富山第一銀行事件 富山地労委 H13.3.30
組合併存(労組・従組)下のトラブル。銀行は経営協議会を同日に開催し説明。従組が前年実績を確保できるのかという質問に、具体的な数字は示さず、「一時金交渉はシビアなものになる」などの発言あり。不誠実な回答だという主張。銀行は、両組合からの要求が出そろってから交渉を開始している。このため、従組が求めた回答指定日に有額回答しなかった。労組組合員が従組組合員に、抗議行動を行ったが、銀行が労組をして従業員組合への抗議行動を起こさせたということの疎明がない。このため、銀行の行動は不当労働行為とは認められない。

支配介入(3号)

山岡内燃機事件 最高裁 S29.5.28
社長が組合の上部組織加盟を非難する発言を行った案件。客観的に組合活動に対する非難と組合活動を理由とする不利益取扱いの暗示とを含むものと認められる発言により、組合の運営に対し影響を及ぼした事実がある以上、たとえ発言者にこの点につき主観的認識ないし目的がなかったとしても、なお労働組合法第7条3号にいう組合の運営にたいする介入があったものと解するのが相当である。

茨木消費者クラブ事件 大阪地裁 H5.3.22
就労開始時以降1年2か月の間に49回の遅刻をし、たびたび口頭による注意を受け、警告書を交付されていたにもかかわらず、その後もさしたる理由と認められないような事情で4回の遅刻を繰り返した組合委員長に対する解雇の事案。大阪地裁は、そのような常習的遅刻が解雇事由に当たることは認めつつ、使用者が同人を委員等とする組合結成直後から、「俺は組合が嫌いだ。帰ってくれ、警察を呼ぶぞ。」などといい、団体交渉も拒否し、その後も、組合員に対して「お前らカスや、嫌やったら辞めたらいい、組合なんか聞いたことがない」などとの発言を繰り返していたこと、組合結成前から約していた冬季賞与の額につき、組合が結成された交渉の結果、同年の夏季賞与の額が0.2か月分上乗せされていたことから、その分の冬期賞与から差し引くなどとしたり、労働委員会においてあっせんが成立しているのに、その内容となっている労使協議会の開催には容易に応じようとせず、委員長を含めて3名の組合役員を解雇した後には、他の組合員に対し、「あの3人を解雇したらお前らも辞めると思とった。なんで辞めへんねん。だから段取りが狂るてしもてんねん。」などと発言していたことから、不当労働行為意思に基づく解雇であるとした。

(2008.4.12)

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